キレイ事のSDGsから、実務のサステナビリティへ
- 香菜子 望月
- 1 日前
- 読了時間: 6分
「商い」と両立させるための、小さな勉強会をはじめます

近年、企業の社会的責任として「SDGs」や「サスティナビリティ」が当たり前のように言われるようになりました。しかし、企業のサスティナビリティ推進室や実務の現場からは、次のようなお声も聞こえてきます。
「社会貢献の重要性はわかるが、事業とどう両立させればいいのか」
「新しい取り組みを提案しても、ルールや法規制、社内の調整がうまくいかない」
報道される取り組みやイベント・交流会で語られるサスティナビリティは美しい成功事例ばかりですが、私たちが日々の活動のなかで直面しているのは、もっと泥臭く、板挟みだらけでジレンマに満ちています。
経営サイドや元請けから取り組みの進捗可視化を求められるが現場からは「やることを増やさないで欲しい」といったなかなか難しい板挟みに合うことも珍しくありません。

また、昨今ではSDGsという言葉に対して怪訝な目で見られることも少なくありません。事業と直接関係のないコストセンター的な目で見られる、といった話を聞いたこともあります。
そういった中で持続可能な社会に向けて地道に取り組んでおられる皆さまには頭の下がる想いです。
私たちは思います。
SDGsやサスティナビリティはもっと業種業界を超えてつながりあうべきであると。
「省エネをしています」「ペーパーレス化しました」
「この取り組みはSDGsのX番に該当します。」
よくコーポレートサイトなどでお見かけするサスティナビリティの取り組みはこういった「自社での取り組み」が大半です。
「省エネをしています」「ペーパーレス化しました」といった単独の取り組みは、コスト削減やリスク管理にはなっても、「商機」につながりにくく、広がりや波及性がないことが多いのではないでしょうか。

「持続不可能だと思っていること」
それを企業の垣根を超えて話し合い、共有し合うことが新しい商いの種になると思っています。
SDGsは本来、持続可能な社会を目指して17の目標と169のターゲットを設定したものですから、「何が持続不可能なのか」を理解することがスタートにあるべきだと思っています。
SDGsが理想論、みたいな見られ方をすることがあるのはこの点の認識にズレがあることが原因にある、そう思うことがあります。
だから、こうした課題の共有からスタートすることで互いに協力できる点を探っていくことができるのだと思います。

例えば、こんな共創を。
食品×物流×IT
これは絵空ごとです。
・食品メーカーや小売店から出る「廃棄予定品」
・物流企業の「帰りのトラック」
・両者のリアルタイムデータを突合するデータベースでマッチング
これを一般消費者や飲食店、他一次産業など様々な利用者からマネタイズできれば
・食品メーカーや小売店 → 廃棄コスト減少
・物流企業 → 通常収益にならないルートが売上になる
・IT企業 → 需要予測データの販売などマーケティング活用に活かせる
といった「自分たちだけではできないこと」が人が集まることでお互いにメリットを持たせたままできる可能性が出てきます。
そんな商機を生み出すことを目的にした勉強会を開催したいと思います。

第一回目のスタートテーマは「食品ロス」。
食品ロスは2015年度の646万tを頂点にこれまで順調に削減を続け、2022年度には472万tまで削減し、日本政府が掲げた食品ロス削減目標は8年前倒しで「達成」とされました。

12. つくる責任 つかう責任
12-3.
2030年までに、お店や消費者のところで捨てられる食料(一人当たりの量)を半分に減らす。また、生産者からお店への流れのなかで、食料が捨てられたり、失われたりすることを減らす。
削減目標は「半減」なのに達成とはどういうことなのでしょうか。
この削減目標は「2000年度比で半減」とされていますがSDGsが採択されたのは2015年です。どうして2000年度が基準年になっているのでしょうか。
2000年度は食品リサイクル法が制定された年で、食品廃棄物の削減、リサイクルが法律で義務付けられたスタートの年で、ここからスタートしています。
しかし、この頃の日本はまだ「食品リサイクル法に基づく事業者からの定期報告制度」が存在していません。2000年の食品ロス量は今の計測している計測方法と違い、やや精度が低いものであると言えます。
現に2012年から計測を開始して最も食品ロス量が多かったのは2015年度。
それでも2000年の推計量を基準に8年前倒しで「達成」としていいのでしょうか。
まだまだやれることはたくさんあるのではと想像します。
登壇はNPO法人日本もったいない食品センター 理事 前田氏
「集まっていただいた方に自由に話し合っていただく」
そのような交流会のような場ではなく、一定のテーマに沿って少ない人数で話し合っていただくことでより実りのある時間にしていただきたいと思っております。
そのため、社会活動と商いを両立した事業をされている方をスピーカーとしてお呼びし、
「持続不可能だと思っていること」について語っていただきます。
これをスタートテーマとしてご参加者の方々にも課題を共有いただき、議論を深めていければと思います。

私たちはNPO法人として、食品ロス削減と生活困窮者支援の両立を目指し、余剰食品の買い取り・販売を行う「エコイート」を運営協力をしています。2019年の1号店オープンから現在は約30店舗まで成長しました。
活動を始めた2017年から現在の2026年まで、合計20000tは超えるであろう食品ロスを引き受け、30000を超える世帯へ食料品を支援してまいりました。
また、子ども食堂や福祉団体への食料品寄付は数えているだけで600を超え、おそらく1000以上の寄付を実施しています。おそらく全国的にも珍しい、「補助金、助成金無し」で活動している事業形態のNPOだと思っています。
皆さまのコラボレーションの種になれば幸いです。
本音で議論できるクローズドな場を
サスティナビリティの実装において直面するこれらのジレンマは、1社単独で解決できるものではありません。
そこで私たちは、企業の推進担当者様同士が、建前や綺麗事を抜きにして実務の課題を共有し合える「『商い』とサスティナビリティを両立する勉強会」を立ち上げることにしました。
大規模なセミナーではありません。1回あたり5社(最大10名程度)だけが集まり、クローズドな環境だからこそ話せる「ここだけの本音」を交わす場としたいと思っております。

2026年7月現在、第一回目の開催日はまだ未定で、プログラム準備中です。
開催が決まりましたら告知させていただきますのでご関心ある方におかれましてはメールマガジンにご登録いただけますと幸いです。
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